・2度目のピエール・ボナール《プロヴァンス風景》(東京国立近代美術館MOMATコレクション) 。どうやったらこうなるの? という気持ちが収まらない。
・例えば、向かいに掛かっているアンリ・マティスの小ぶりな肖像画《ルネ、緑のハーモニー》(1923)であれば、いかにも大戦間のモダンな良作というのがわかり、安心してその良さを味わえる。けれどボナール のほうはその良さのよって立つところがいまいちわからない。歴史性、技法、形式などからアプローチしずらい、ということなのか。常設展全体においても、ボナール の絵がもっとも寄るべない。
・MOMATコレクションでは有名なポール・セザンヌ《大きな花束》(今回の常設では見られない)も素手を強いられる感じがするが、ボナール はそれ以上かもしれない。