・5度目のピエール・ボナール《プロヴァンス風景》(東京国立近代美術館MOMATコレクション) 。
・目の前で見ると、ぼやけた筆致/ストロークのわかる筆致、ぼやけた色彩/はっきりした色彩、といった書き分けがある。画面のそこらじゅうが、様々なスケールでブレている。だから離れて見ても、何かがはっきりすることがない。逆にいうと、どうにかして何かとして受け取られることがないように描かれている。きっかけ・とっかかり・手がかりといったものを寸止めしているかのよう。弱い抑止を保つためのとんでもないインナーマッスル。
・絵を見るというのはどういうことかわからなくなる絵である。