・6度目のピエール・ボナール《プロヴァンス風景》(東京国立近代美術館MOMATコレクション) 。
・いままでで一番うまく見られなかった。絵はいっかんしてよそよそしく、全然かまってもらえない。そろそろ行こうかという間際、やっと画面が明るくなって野蛮な力が感じられたが、こちらの気持ちがむかず、後ろ髪を引かれながら帰る。
・今回の常設展では、岸田劉生を中心に同時代の日本人の肖像画が集められた部屋があるが、やはり岸田劉生が目を引く。《麗子肖像(麗子五歳之像)》(1918)の、眼の周りが凹んでいるのか膨らんでいるのかどちらとも言えない奇妙さ。土色の汚れた顔に晴れた空を映しているような、緑がかかった青色の左目。