Small Photo Diary

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板橋区立美術館の収蔵品展「井上長三郎・寺田政明・古沢岩美の時代 池袋モンパルナスから板橋へ」を観る。数年前、同美術館の「井上長三郎・井上照子展」を見てから面白いと思っていたので、井上長三郎(1906−1995)を目当てに。

・他の二人に比べて出品数は少なかったけれど、それだけ集中して観ることができてよかった。特に70年代、晩年のよく知られたスタイルで描かれた数枚がとても良い。

・ぶよぶよした人形のような政治家が二人、椅子にふんぞり返っている《椅子》(1973)。顔面や服装に描かれる弧線の繰り返しが人物にぶれをあたえ、背後で二人を包む大きな輪郭が線の色と呼応して、ハレーションをおこす。見ていて飽きない。マッドな質感といい、色の選択といい、井上長三郎の絵はとても瀟洒だ。よく取り上げられる政治的なテーマであっても、絵自体には抜け感があるというか、いちいちセンスがあるというか、いつもそんな印象を持つ。あまり時間をかけられなかったので、また機会をつくってじっくり見に行きたい。

・ところで板橋区立美術館武蔵野台地の北側のヘリに位置するから、周辺の地形が素晴らしい。