Small Photo Diary

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鑑賞メモ #3

古書市にて、匿名の家族アルバム(1941?)を見る。東京郊外に住んでいたと思われる家族の、主に小学校低学年くらいの少女を中心としたもの。家族と女中(?)、飼い猫、親戚、お出かけ先(上野、多摩川京王閣など)での記念写真。撮影年代は1938年から41年まで。主に六センチ四方のモノクロ写真が黒の用紙に、白文字の簡単なキャプションをつけて(読解できないものも多いが)。当然、ここに映されている人たちについては何も知らない。いわゆる「蚤の市の古写真」である。この手のものは比較的よくあるが、このアルバムはその中でもとりわけてどうということもない。

・しかし、この生々しさはなんだろう? 「作品」としての写真への興味が遠ざかる中、最近こういう写真に惹かれて折々覗いている。かつてそこにあった、というリアリティですまない強靭なフィクションが立ち上がり、心臓が脈打ってくらくらしてしまう。正直なところ、こんなものはじっと見続けることができない。手にしたその場で、アルバムをめくりながら泣いても何らおかしくない。

・写真というのは、やはり人間の正視に耐えないのではないか?